先日、下記記事で書いた通り、メリダの2020年のハイエンドモデルである、Scultura 10k-kを購入した。定価ベースで、税込132万円!?
今回、かなりのお買い得価格で買えるって事で買ったんだけど、購入時点では、「所詮人力。ハイエンドカーボンだろうがアルミだろうが、大差ないんじゃないの?」って思ってた。
そんな中タイミングが良いことに、新車が納車される直前にアルミバイクなCAAD12でJBCF群馬に出場し、その1ヶ月後にハイエンドカーボンバイクなSculturaでJBCF群馬に出場することに。しかも、距離はどちらも84kmでクラスもE2と、条件が同じ!
って事で、「100万円オーバーのハイエンドカーボンロードバイクに乗り換えると、速くなるの?」ってのを、実際のレースデータを比較しながら検証してみることにした。
なお、Scultura購入後、朝練で使ったり、100km程度の勝手にグランフォンド練で使ったり、上述のJBCF群馬で使ったりした、乗り味の印象としては、「下りは確かに速いし扱いやすい。けど、登りが楽になったとは思わないし、脚が長持ちするようになったとも思わない。」です。まぁそれでも、「安かったしカッコよいし軽い(6.9kg)から良いか!」って思ってたんだけど、、、やっぱりデータ上どうなのか、気になるよね〜、と。
なお、本記事はあくまで、自分の興味で書いてる。これが正解!ではないので、みなさまの信じる正解に基づいてネクストバイクを決めていただければと・・・!ちなみに僕は、コストパフォーマンスの良い買い物が正解。
比較対象フレームについて
まず、比較対象のフレームについて。
冒頭にも書いた通り、今回の比較はアルミバイクvsハイエンドカーボンバイクと言うことで、アルミバイクは一昨年49,999円で買った(2020年シーズンのロード用フレームが届いた。【コスパ重視】 – はるそめロードバイク日記)、キャノンデールのCAAD12。対してハイエンドカーボンバイクは、定価132万円なメリダのスクルトゥーラ10k-e。
アルミロードバイク:Cannondale CAAD12
アルミフレームといえばCannondaleのCAADシリーズ!なCannondaleのCAAD12。2019年末に購入し、1年ちょっと使い倒したけれど、なんの不満もない。
最新モデルはCAAD13なので、型落ちモデルとはいえ、アルミフレームとしてはハイエンドと言っても良いんじゃないかなと。買値は49,999円だったけど、定価ベースで言えば13万円ぐらいかな??
ハイエンドカーボンロードバイク:Merida Scultura 10k-e
新城幸也選手が所属する、バーレーン・メリダが使用するメリダのスクルトゥーラの2020年のハイエンドグレードのリムブレーキモデル。バーレーン・メリダは2020年シーズン、このフレームのディスクブレーキモデルを使用していたはず。(Reactoと併用だけど、パッと見、Sculturaの方が出番多そうだったな。)
コンポはDi2デュラエース、ホイールは定価30万円近いDT-SwissのPRC1400 Spline。プロと同レベルな仕様でまさに、ハイエンド。
スペック比較まとめ
上記2台のバイクのスペックを表でまとめると下記のような感じ。なお、JBCF群馬は下記状態で参戦したので、データは下記バイクで取ったもの。と思ってもらえればと。
CAAD12 | Scultura | |
---|---|---|
フレーム | アルミ | カーボン |
フレーム価格 | 137,500円 | 350,900円 |
コンポ | R8000系アルテグラ機械式 | R9100系デュラエースDi2 |
ホイール | FFWD F6R | DT-Swiss PRC1400 Spline |
タイヤ | Vittoria Corsa G2.0 TU 28c | IRC Formula Pro RBCC TL 28c |
重量 | 7.3kg | 6.9kg |
JBCF群馬のパワーデータで比較
以上、今回の比較対象について書いたので、いよいよデータの比較。
なお、それぞれのレースブログは下記。
CAAD12
Sucltura
レース全体の比較
まずは、レース全体の比較ってことで、リザルトそのものや、NPを比較。表で表すと、下記の通り。
CAAD12で出場 | Sculturaで出場 | |
---|---|---|
日付 | 2021/4/25 | 2021/5/15 |
レース名 | JBCF東日本ロードクラシック | JBCF群馬CSCロードレース5月大会 |
クラス | E2 | E2 |
距離 | 6km×14Lap=84km | 6km×14Lap=84km |
コンディション | ドライ | セミウェット |
リザルト | DNF(41位)/61(-2Lap) | DNF(37位)/56(-2Lap) |
NP | NP229w | NP215w |
簡単なレース展開 | 12周目に集団から脱落。 | 5周目に集団から脱落し、12周目にグルペットから脱落。 |
リザルトだけで比べると、CAAD12で出た4月の群馬の方が、Suclturaで出た5月の群馬よりも7周多く集団で生き残ってる。順位的にはほぼ似たような位置ではあるものの、タラレバだけど、足攣りせずに普通に残りの2.5周を走っていれば、4月の群馬は30番手ちょいで完走できたはず。
ってことを考えると、純粋なリザルトだけで比較すると、ハイエンドカーボンバイクで出たJBCF群馬よりも、アルミバイクで出たJBCF群馬の方が良い結果だった。と言うことになる。
ただ、レース当日のフィーリングで言うと、5月のJBCF群馬は調子が悪かった。NPの出も悪いし、、、このレースだけで判断するのは早計かなぁ。とはいえ、参考ってことで。
ラップデータを比較
続いて、ラップデータの比較。
Lap | アルミ(2021/4/) Cannondale CAAD12 | カーボン(2021/5/15) Merida Scultura |
---|---|---|
Lap1 | 9分56秒/NP254w | 10分59秒/NP223w |
Lap2 | 9分23秒/NP237w | 9分35秒/NP228w |
Lap3 | 9分41秒/NP216w | 9分11秒/NP236w |
Lap4 | 9分10秒/NP242w | 9分15秒/NP224w |
Lap5 | 9分33秒/NP235w? | 9分15秒/NP231w |
Lap6 | 9分14秒/NP235w? | 9分50秒/NP224w |
Lap7 | 9分24秒/NP234w | 9分48秒/NP231w |
Lap8 | 9分13秒/NP222w | 10分3秒/NP209w |
Lap9 | 9分56秒/NP221w | 10分10秒/NP214w |
Lap10 | 9分28秒/NP227w | 10分1秒/NP210w |
Lap11 | 9分42秒/NP230w | 10分11秒/NP208w |
Lap12 | 13分41秒/NP195w | 12分13秒/NP208w |
こうやって並べてみると、CAAD12で出た4月の群馬の方が、序盤から高いNP・速いタイムで合ったにもかかわらず、長持ちしてる。Lapデータで見ても、アルミバイクの方が良い結果に。
繰り返しになるけど、単に自分の調子が良くなかっただけかもしれないけど。(ただでさえ遅いのに、調子まで悪いともうどうしようもないw)
心臓破りの坂を比較
この比較がおそらく本命。心臓破りの坂比較。
群馬CSC最大の勝負どころ。大抵、先頭集団から脱落するときは、ここで千切れる。Stravaで心臓破りの坂のレイアウトを確認すると、距離0.40km、斜度7.1%。距離と斜度だけみると、気合いで耐えられそうではあるんだけど、その手前のリフト坂や、その後の微妙なアップダウンで足を使った状態で突入するからなかなかに辛い。
ここのデータを比較することには意味があると思ってる。と言うのも、速い自転車=少ないパワーで走れる自転車であると仮定すると、SculturaはきっとCADD12と同じセグメントタイムでも少ないパワーで登れているはずだ!と。
と言うわけで以下、それぞれの心臓破りの坂のタイムとAP。全て、Stravaから取ってきた。
Lap | アルミ(2021/4/) Cannondale CAAD12 | カーボン(2021/5/15) Merida Scultura |
---|---|---|
Lap1 | 1分1秒/AP341w | 1分3秒/AP314w |
Lap2 | 1分6秒/AP312w | 1分7秒/AP294w |
Lap3 | 1分12秒/AP303w | 1分5秒/AP328w |
Lap4 | 1分2秒/AP364w | 1分7秒/AP303w |
Lap5 | 1分2秒/AP367w | 1分18秒/AP234w |
Lap6 | 1分4秒/AP342w | 1分16秒/AP253w |
Lap7 | 1分7秒/AP337w | 1分14秒/AP264w |
Lap8 | 1分8秒/AP311w | 1分13秒/AP269w |
Lap9 | 1分9秒/AP319w | 1分14秒/AP255w |
Lap10 | 1分10秒/AP320w | 1分19秒/AP247w |
Lap11 | 1分6秒/AP327w | 1分20秒/AP243w |
Lap12 | 1分27秒/AP253w | 1分56秒/AP180w |
表形式で並べるだけだとわかりにくいので、Excelで散布図作ってみた。
縦軸が心臓破りの坂を登った際のアベレージパワー、横軸が心臓破りの坂を登るのにかかった秒数。
左に行けば行くほど、ペースが速いのでパワーも高くなり、右に行けば行くほど、ペースが遅いのでパワーは低くなるはず。上記図から、気になるポイントに番号を振って振り返る。
全体的に、Sculturaの方が、CAAD12より、少ないパワーで速く登れているように見える。
まず、①の部分。Sculturaが1分3秒のペースでAP314wなのに対して、CAAD12は1秒速くて+50wが2回、2秒速くて+25wが1回、1秒遅いのに+25wが1回。
続いて②の部分。Sculturaが1分7秒のペースでAP303w、294wなのに対して、CAAD12は1分8秒でAP311w、1分9秒でAP319w、1分10秒でAP320wと、CAAD12の方がペース遅いのにパワーが高いデータが複数ある。また、CAAD12で1分12秒でAP303wと言う周回もあるので、たまたまかもだけど、5秒遅くて同じAPってデータもある。
最後に③の部分。これは純粋に、同じペースだけど、Sculturaの方がCAAD12より少ないパワーで登れている。CAAD12がAP337wなのに対して、SculturaはAP303w&AP294w。0.5w/kg低い。
たた、CAAD12で1秒速い66秒でAP312wってデータもあるから、一概には言えない??
と、散布図にして心臓破りの坂のデータを比較してみたわけだけど、、、母数が少ない!(爆)
今回の比較では、Sculturaの方が、CAAD12よりも少ないパワーで登れそうに見える。程度の結論にとどめて、来月6月にもJBCF群馬があるから、さらにデータを集めて散布図を作り直そうかと思う。その際、去年のCAAD12で出場した際のデータも加えて良いかもだな。
ってことで、6月12日のJBCF群馬が終わったら追記しま!
まとめ。100万円以上のハイエンドカーボンバイクを買うと速くなるのか??
データのサンプル数が少ないとはいえ、正直、「100万円以上出す程の差はない。」が結論になるんじゃないかなぁと。なので、「ハイエンドモデル買わないと、レースで圧倒的に不利になってしまうんじゃないか。」と思って無理してお金工面するのであれば、GustoやWinspaceみたいなコストパフォーマンスの良いフレーム買って組んで、余った金でレースに出まくる(または家族のために使う)方が強くなれるし幸せになれるんじゃないだろうか。
と言うのが、現時点での僕の結論。自転車はコスパで選ぶ。
いずれにせよ、6月のJBCF群馬も走ってから再度検証ですね!
最後にもう一度。この間買ったMerida Scultura 10k-eはめっちゃ満足してる。めちゃめちゃコスパ良かったから。←
コメント
コメント一覧 (2件)
ひさびざにおもろいネタですね!!楽しませていただきました。私も仲間うちで、「あのフレームは速い」だの、機材トークは盛り上がるんですが、脚力の乏しい私は、「好きなフレームではしるのが一番」と言い聞かせています^^!
ですね!好きな自転車に乗るのが1番!